95年春、SNKから「餓狼伝説3」が発売された。SNK史上最大の大ヒットを飛ばした前作「餓狼伝説SPECIAL」から実に1年半振りであったこともあって、宣伝・広報にかなり力を入れていたらしい。その証拠にかなりの量の広報イラストが描かれ、多くのメディアを賑わせていた。たしかTVCMも流れていたはずである。 ところがふたを開けてみると、まったく盛り上がりに欠けるものになってしまった。実際、私自身アーケードでプレイした記憶が無い。 手元にあるゲーメスト別冊「ザ・ベストゲーム2」で当時の餓狼伝説3の位置を見てみると、ゲーメスト大賞では8位を取っているものの、ベスト対戦格闘では10位に入っていない。この年(94年11月~95年10月)のゲーメスト大賞が1位から10位まですべて対戦格闘ゲームだったとは言え、実質的に格闘ゲームとして評価されていないと言われているようなものである。 年間ヒットゲームでも主な対戦格闘ゲームの中では、一番低い位置にある。ちなみに前作「餓狼伝説SPECIAL」はライバルの「スーパーストリートファイターII」を上回る人気だったことを考えると、あまりにも低すぎる(プレイヤー人気、ベストインカム、年間ヒットゲームすべてで上回っていた)。 確かに、巡り合わせの悪さがあったのは事実だろう。餓狼伝説3が稼動していた時期のライバルはいずれも格闘ゲーム史上の傑作といわれるゲームばかりだった(大傑作バーチャファイター2とヴァンパイアハンターを始め、鉄拳やX-MENが稼動していた)。しかし、同じSNKが発売したKOF'95はそれなりにヒットしており、それ以上にプレイヤー人気を得ていたようだ。何が違っていたのだろうか。 結論から言うと「難しかった」ということに尽きる。これはCPU戦の事ではなく、システムの事である。では、具体的に何が難しかったのか見てみよう。 -------------------------------------------------------------------------------- 操作系は8方向レバー+4ボタンで、ネオジオでは一般的なものである。レバーは移動とガードで使用し、ボタンは主に攻撃に用いる。ここまでは一般的な2D格闘ゲームと同一の仕様である。 SNKのゲームには必ず何らかの付加システムがあり、餓狼伝説3では3ラインバトルだった。餓狼伝説シリーズは元々2ラインバトルを採用しており、これを発展させて実際の格闘での横軸移動を再現しようとしていたらしい。 この3ラインバトルが曲者で、2ボタン同時押しで手前ラインや奥ライン(スウェーライン)に移動し、あるいはスウェーライン上にいる敵を攻撃するようになっていた。 これだけなら簡単そうに見えるが、実際にはかなりスピーディに動き回るため対応しにくく、なおかつ2ボタン同時押しを間違えてしまいやすい。慣れればどうということはないとは言え、慣れるまでにあきらめる人が多かったのではないだろうか。 これに輪をかけたのがCPUの反応のよさで、スウェーを潰されたりして有効な使い方を身につける前に終わってしまった人も多かったようだ。 システムを有効に活用できないプレイヤーが、餓狼伝説3の対戦に手を出すって事はそんなにないであろうし、いち早く身につけたプレイヤーに手も無くひねられてしまうことになるだろう。 結局のところ、アイデア倒れに終わってしまったということになる。 -------------------------------------------------------------------------------- A「知ってるか言うてたわりには、えらいけなしてんやないか」 B「まあ事実だし、それを曲げることはできないでしょ」 A「にしたって、もうっちっと言い方ってもんがあるやろ」 B「この後でちゃんとフォローすれば問題ないでしょ」 A「フォロー入れる気あったんか」 -------------------------------------------------------------------------------- もっとも、餓狼伝説の開発スタッフの偉大さはこの後にある。 次作の「リアルバウト餓狼伝説」では操作系を全面的に見直し、スピードを調整したことによって、非常にプレイしやすいものに仕上げている。また、CPUのアルゴリズムにも手を加えており、システムを習熟するための練習の場を設けている。 これで餓狼伝説を見直した人も多いらしく、実際にゲーメスト大賞にもはっきりと現れている(ゲーメスト大賞9位、ベスト対戦格闘6位、プレイヤー人気6位、年間ヒットゲーム6位)。 リアルバウト餓狼伝説は未だに人気が高く、餓狼伝説シリーズ最高傑作とも言われている。(これは諸説あり、餓狼伝説SPECIALやリアルバウト餓狼伝説スペシャルという人もいる) ただ、リアルバウト餓狼伝説のあたりから、かつての餓狼伝説SPECIALの操作系からかなり離れたものになり、餓狼伝説SPECIALを愛したプレイヤーはKOFシリーズに流れる傾向を生んだようだ。 -------------------------------------------------------------------------------- A「えらい誉めようやが、最後のはなんや」 B「あえて書く必要はなかったかな」 A「いらん事やったら書かんでええやないか」 B「それもそうだね」 A「で、まだなんか書く気かい」 B「今度は餓狼伝説3自身でフォローするよ」 -------------------------------------------------------------------------------- ところでご存知の方もいらっしゃるだろうが、餓狼伝説3の音楽は非常にできが良い。格闘ゲームもかなり多く出ており、単体の曲として優れたBGMも存在する。しかしこのゲームの場合は全体的にレベルが高く、サントラを聞いていても聞き流す曲が無い。実際、初めて友人の家でROM版をプレイした時、そのBGMの素晴らしさに感動してしまったほどである。 ネオジオ好きに好きな曲はとたずねると、結構多くの方が餓狼伝説3から、あるいはリアルバウト餓狼伝説から挙げる方が多い。リアルバウト餓狼伝説のBGMは多くが餓狼伝説3から流用しているので、実質的に餓狼伝説3から選んでいると思っても言いだろう。 個人的に最も好きな曲はフランコステージで流れる「白いフランコ」である。力強いリズムはフランコに相応しく、流れるようなメロディラインが花を添えている。 マリーステージの「Kiss Me」も良い。マリーというとRBS以降の「Blue Mary Bluce」を思い浮かべる人もいるだろうが、あのようなメロディアスな曲ではなく、同じジャズでもチック・コリアのサウンドを思わせる凝った構成になっている。 オプションで聞ける「ワイワイガヤガヤ」は聞いていて楽しくなる曲だ。聞いていると思わず体がリズムを取っているのに気がつくだろう。 キャラクターセレクト画面の「Hitchhike」はじっくりと聞いていたい曲だ。キャラクター達が順番待ちをしているかのような画面と合わせると、なんとなくパオパオカフェにいるような錯覚におそわれる。 テリーステージの「Big Shot!」はステージの雰囲気にもあった明るくリズムとメロディを持った曲であろう。この曲は他のゲームにもアレンジされて使われているので聞けば知っているという人も多いでしょう。 ギースステージの「ギースにちゅうして」はふざけたタイトルからは想像もつかないハードロック調の曲だ。メロディラインが載っているものの、ギターで奏でられるリズムに耳がいってしまう(私だけだろうか)。このギターを聞いているとなんとなくQUEENのブライトンロックを思い出してしまう。KOF'96にアレンジされて使用していたのでこれまた知っている人が多いかも。 -------------------------------------------------------------------------------- 餓狼伝説3で最も支持されている曲といえば「パンドラの箱より」かもしれない。 秦兄弟ステージの「パンドラの箱より」は2部構成になっており、弟の秦崇秀ステージはパンドラの箱より第1番「遭遇」、兄の秦崇雷ステージはパンドラの箱より第2番「迷霧」でクラシックの形式(ロマン派)を受け継いでおり続けて聞くと中々に聞きごたえのある曲になっている。 パンドラの箱より第1番「遭遇」は同じパートを繰り返しつつ徐々にサウンドに厚味を持たせていく構成になっている(ボレロを思わせる感じだ)。メロディラインがモーツァルト風に表現すれば、「聞いている人に不安を感じさせるような」感じになっており、正にプレイヤーの不安を煽ってくれる。 パンドラの箱より第2番「迷霧」は開幕が第1番から継承し、そこからメインテーマに入るという憎い構成になっている。メインでは初めから大きく盛り上がっているものになっており、第1番から連続して聞くことで、先ほどから大きくなっていた不安はこの壮大なテーマによって払拭される。実に見事な構成だといえよう。 パンドラの箱よりは曲的になんとなく「ドボルザーク」を思わせるので、知らない人に「ドボルザークのパンドラの箱より」だと言って聞かせると面白いかもしれない。 -------------------------------------------------------------------------------- A「フォローとは言うたものの、なんや異様にBGMの解説が多いやんか。」 B[だって、これが本題だもの(笑)。」 A「一番好きやって言うてるフランコの曲よりパンドラの箱よりの解説が長くねえか?」 B「だってこの曲も好きだし、分析したくなるじゃない」 A「んなもんせんでええ」 mvs上画面,音乐,艺术性最强的游戏 最早确立了snk四种跳跃,空中防御,最早加入了伪技,combination,最早引入潜在能力(max超)概念,除了画面hits数显示,其他一些基本概念大部分都是本作率先确立。 パンドラの箱より 第1番「遭遇」 秦崇秀 パンドラの箱より 第2番「迷霧」 秦崇雷 此两曲奠定了本作音乐之强,此两人背景奠定了本作画面之强,本作乐曲和画面的和谐搭配奠定了本作艺术性之强。 ============================== 饿狼3ast全曲 1、餓狼伝説3 TITLE オープニングデモ 2、Big Shot! テリー・ボガード 3、ワニの味 ジョー・ヒガシ 4、雷波濤 アンディ・ボガード 5、イヴォンヌ・ルロールへの幻想よりピアノとハープによる浮遊 不知火舞 6、白いフランコ フランコ・バッシュ 7、TAKU_HATSU 望月双角 8、蜜の味 ボブ・ウィルソン 9、チ!!チ!!チ!!チ!! ホンフゥ 10、Kiss Me ♥ ブルー・マリー 11、ギースじゃ!!イ ギース・ハワード 12、ギースにちゅうして ギース・ハワード特殊試合 13、露命 ギース・ハワード特殊試合後デモ 14、C62 -シロクニ- 山崎竜二 15、パンドラの箱より 第1番「遭遇」 秦崇秀 16、パンドラの箱より 第2番「迷霧」 秦崇雷 17、The Remains of My Love -The Sunset Sky Part Ⅴ- エンディング、スタッフロール 唄:生駒治美 =================================== kiss me强过blue mary's blues数倍,rbs mai的まいまいきゅーん也明显逊色于饿狼3的イヴォンヌ・ルロールへの幻想よりピアノとハープによる浮遊 =================================== 系统过于复杂,击打感觉的恶劣,生不逢时的发售期,造成了饿狼3的失败,但无论怎样,饿狼3的各方面造诣仍然反映出了那个时代的snk的热忱和努力。 |